夏になると私の頭の中に流れだす曲がある。その歌のタイトルは「夏の日の1993」。
私がプロの道に進むことを決意した年の、男性デュオ「class(クラス)」のヒットソングである。私の、いや私たちの世代のいわゆる青春ソングというやつだろう。
夏と言えば、TUBEやサザンオールスターズが定番だったのだが、この年の夏は違った。
93年、Jリーグが開幕した。日本サッカー界を取り巻く環境は変化し、世間から常に注目されるようになった。
華やかなプロの舞台は、サッカーをする者にとって、より身近な目標となった。
しかし私はというと、夏の高校総体を終えるまでプロという選択肢は正直、頭の中にはなく、大学に進むことを考えていた。
というよりも、自分はプロで通用するとは思っていなかった、いや自信がなかったのだ。
そんな折、監督から「プロになるか、大学に進むか決めろ」と言われ、急きょ、鹿島アントラーズにチームメイト数人で練習に参加することとなった。
それはとても魅力的だった。ほんの数日間だったが、プロの選手達とトレーニングをし、プロの生活を垣間見たことは、とても刺激的だった。
上手くなるためにとことん情熱を費やせる環境がある、そんなプロの生活に憧れた。通用するかどうかと不安を感じるよりも、この世界にトライしてみたい、
という好奇心や希望がはるかに勝っていった。
そして「やるだけやって駄目だったら、何年かかっても大学に行こう」と考え、プロになることを決意したのだ。
私にとって大きな選択、まさに人生最大とも言える決断だったのだが、その時に思ったことは「あの時あっちを選択したら…」と後悔しないためにも、
自分が進む道を一生懸命に歩んでいこう、どの道を進むにしても、楽しい道にするかつまらない道にするかは自分次第のはずだ、ということだった。
あれから15年、ひたすらに歩み続けてきたが、サッカーという道は果てしなく奥が深く、故にとてつもなく楽しく、まだまだ、どこまでも歩み続けたいと思う。
鹿島の寮で昔のチームメイトと将来について語った夜が懐かしい。プロサッカー人生という道への決意の「夏の日の1993」、私は決して忘れない。
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