「隆三は一生懸命、頑張っているのかもしれない。
だけど、俺が隆三に求めている頑張りは、もっともっと上なんだ」
これは高校時代に恩師から言われ、ガツんときた一言である。そして最も胸に響いた言葉でもある。
高校時代、学生としては見本になれるような生徒ではなかった。
正直なところ、勉強よりも何よりも、私の頭の中はサッカーで埋め尽くされた毎日だったからだ。
進学校であり、スポーツにも力を入れていた私の母校のサッカー部は、推薦で入ってくる生徒がほとんどで、
一般で高校に上がり、サッカー部に入った私からすると、同級生や先輩は雲の上の存在であった。
当然、監督にはよく怒られ、練習にはついていくのがやっとの状態。体力的にもそして精神的にも、
かなり厳しい日々が続いたが、負けたくないという気持ち、悔しさが私を奮い立たせ、
そして何よりもレベルの高いプレーに触れられる喜びが、私をよりサッカーにのめり込ませた。
時は過ぎ、季節は変わって冬の高校サッカー選手権を控えたある日、私は突然、監督からレギュラー指名をされた。
「選手権では隆三を使う」と。寝耳に水とはまさにこのことである。
自分なりに手応えを感じ始めていたとはいえ本当に驚いた、いや戸惑った。
そして当然、これまで以上のレベルのプレーを求められ、厳しいことを言われる日々が続いた。
本当に俺なんかが試合に出ていいのか?と不安は募る。「俺は精いっぱいやっている。
これ以上、どうすればいいんだ」。迫り来る大会にプレッシャーを感じ、
押しつぶされそうになった私の目を覚ましたのは監督の言った冒頭の言葉だった。
自分で限界を作り、弱音を吐いていた自分を恥じた。チーム内のポジション争いや、
相手との戦いうんぬんの前に自分との闘いに負けていた自分に腹が立った。
まず立ち向かうべきは自分自身の中にあると気づいた。
プロ15年目となった今でも自分に問いかける時がある、限界を決め付けてないかと。
そして自分と闘う。「自問自答」ならぬ「自問自闘」!。自分に負けないように。
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