家に帰ると、息子が何やら叫びながら、無邪気にはしゃいでいた。
最初は何と言っているのか分からなかったが、妻に聞くと、通っている習い事の教室で、
覚えてきた言葉をうれしそうに使っているのだった。
3歳の息子いわく、「トリック・オア・トリート(お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ)」である。
10月末に行われる英語圏の伝統行事「ハロウィーン」は、近年、日本でもかなり定着してきた。
しかし、私が子供のころには、そんな言葉すら知らなかった。
私の経験してきた行事はどんなものがあっただろうか?
まずは年の初め、お正月に餅つきや凧揚げ。お次は節分で豆まき。バレンタインデーがあって、ひな祭り。
エイプリルフールなんてものもある。夏休みには盆踊り、秋には運動会があり、
冬にはクリスマスがきてツリーに飾りつけをしてプレゼントをもらい、「も〜う幾つ寝ると〜お正月」と歌い、
大みそかを迎える。
大まかに言っても結構あるが、日本元来のものとそうでないものが混ざり、かなり不思議な感じである。
日本人は海外の文化を取り入れるのがとても上手で、生活の一部にすらしてしまう。
その柔軟さは素晴らしいと思う。私自身もそれらを楽しんできたし、これからもそうだろう。
ただ、日本の歴史、文化を大事にせず、より発展したとしても、それは真の発展と呼べるのかと疑問に思う事もある。
サッカーでも同じことが言えるかもしれない。日本はこれまで、南米、欧州から多くを学び、成長してきた。
今では、世界の強豪と戦っても、かなりいい勝負をする。ただ、今後、更なるレベルアップをするためには、
他国のサッカーを尊重し、取り入れつつも、日本人の特性を生かしたサッカースタイルを構築することが重要であろう。
来年、2010年ワールドカップ(W杯)の3次予選が始まる。更なる進化を遂げたとき、
真の日本サッカーの未来が開け、W杯での躍進の道が見えてくるだろう。
*毎日新聞 夕刊(金曜日/月一回)コラム『サッカーマインド』に連載中。 |