朝、ホテルの部屋のカーテンを開けてみると一面の銀世界が広がっていた。
鹿児島で迎えた京都サンガのキャンプ初日。
新しいチームで再スタートすることになった僕の記念すべき1日は、こうして新鮮な驚きとともに幕を開けた。
降り積もった雪のため、この日の練習メニューは急きょ変更。遊び感覚を取り入れた軽めなものとなった。
トレーニングの合間には同僚と雪だるまを作ってリラックス。童心気分を味わっているうちに、
心の片隅にあった不安は消え去り、すぐに仲間と打ち解け合うことができた。
練習中、「さすが」と思わせるのはアキさん(秋田豊選手)。いつも声を出して士気を鼓舞している。
「闘魂の塊」のような存在感は以前からちっとも変わっておらず、頼もしい。
僕は、意欲的に取り組んでいる若手と積極的にコミュニケーションを図りつつ、
そのプレースタイルや性格を頭に刻み込んでいる。
京都のキャンプは練習試合など実戦形式が比較的多い印象だが、
メニュー自体にこれまでと大きな違いがあるわけではない。
そして、長丁場のJ2を戦い抜くためのコンディションと体力作りにキャンプの最大の目的があるのは明白だ。
折り返し点を過ぎ、順調に消化しているこれまでの日々を振り返り思った。
思いもかけなかった初日の雪は、無駄な力を抜いてもっとリラックスするように、
という天の啓示だったのかもしれない、と。
新天地でのキャンプということで、最初から僕は相当意気込んでいたからだ。
「心は熱く、頭は冷静に」――。サッカー選手として僕が心掛けている言葉だ。
人の心を動かすためには熱いひたむきなプレーは大事。一方で常に冷静さを失ってはいけない。
初日の雪は、プレーヤーとしての大事なことを思い起こさせてくれたようだ。
*毎日新聞 夕刊(金曜日/月一回)コラム『サッカーマインド』に連載中。 |